巷の洗礼。

在宅生活を始めてしばらく経った頃、

知人などを通じて「良い話があるから。」

と民間療法やサプリ、健康食品といったものが

舞い込むようになった。


在宅生活といえば聞こえはいいが

要は病院ではもうできる治療がないので家で過ごしてください。


ということで家で看れるくらいには様態は

安定したけど状況は何ら改善していない。


四肢麻痺、寝たきり、自発呼吸ゼロで

ちょっとした拍子に外れた呼吸器が

自分で付け直せないといった具合だ。


少しでも良くなる方法はないものか?


すがる思いで片っ端から試したし、

少なからず散財もした。


多少の効果があるものもあれば、

まったく効果のないものもあったり、

今からしてみれば出処もわからないものにも

よく手を出していたものだと我ながら思う。


自分や周りが納得するために

そのような遠回りも必要だったのだろう。


後になって何人かのほかの障碍者の人に聞くと

大抵の障碍者にはそのような有象無象が寄って来る時期があるらしい。



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